はじめに
このブログポストでは、QRC Q2 2023 and Wave 2023.07にてリリースされた、SAP Analytics Cloudのメニュー:システム概要 について紹介します。
従来のモニタリングツール(サイドナビゲーションの システム 〉 モニタ)を起動すると、以下のポップアップが表示されるようになります。ポップアップメッセージが示す通り、システム概要ページは、従来のモニタリングツールの後継のツールです。

新規システム概要ページ
システム概要では、従来のモニタリングツールにある現在のライセンス使用状況情報や履歴情報の確認機能が大幅に拡張されました。管理者だけではなく、プロジェクトマネージャ、財務、ビジネスアナリスト、セキュリティアナリスト、開発者がSAP Analytics Cloudの使用状況を確認するときの開始ポイントとして利用する管理コックピットとして機能します。
たとえば、システム内の有効ユーザの数を、利用可能なライセンス内であるように管理、監視するとき、システム概要は、確認時の開始ポイントとすることができます。
3331019 - License Usage Limit Changes for SAP Analytics Cloud (SAC) Information
システム概要アナリティクスアプリケーションのご紹介
サイドナビゲーションの システム 〉概要 からシステム概要アナリティクスアプリケーションを実行します。システム概要には、ホーム、権限、セキュリティ、依存関係、使用状況、コンテンツ、ハウスキーピング、トレース、パフォーマンス分析、パフォーマンス統計、データアクション統計、およびデータ管理ジョブの統計と分析のタブが含まれています。

システム概要アナリティクスアプリケーションを実行
ホームタブでは、ライセンス契約への準拠状況の追跡、ライセンス使用状況の分析、システム使用状況の監視を行うことができるタイルが配置されています。それぞれのタイルの数値項目の説明は
オンラインヘルプに記載されています。

ホームタブ
ホームタブからは、ファクトシートに遷移することができます。モデルファクトシートには、モデルに依存するオブジェクト、ユーザ、モデルの削除権限、共有権限など、ファクトシート表示対象として指定したモデルに関する詳細情報を確認することができます。
このように特定のオブジェクトについての詳細情報を確認できるアナリティクスアプリケーションが自動生成されます。ファクトシートは、モデル、ユーザ、ロール、チーム、アナリティクスアプリケーション、ストーリー、インサイト、フォルダ、接続、データアクション、データセットで利用できます。

ファクトシートに遷移

ファクトシート
権限タブでは、ユーザーおよびチームの役割割り当ての確認、チームメンバの情報を確認することができます。

権限タブ
セキュリティタブでは、リポジトリの共有設定を確認できます。

セキュリティタブ
依存関係タブでは、変更による影響の特定、バージョン管理の改善に役立てることができます。

依存関係タブ
使用状況タブでは、使用されているものと使用されていないものから、採用を分析してコストを配分やツールの導入状況の追跡に役立てることができます。

使用状況タブ
コンテンツタブでは、SAP Analytics Cloudで作成されたすべてのオブジェクトの簡単な概要が提供されます。
コンテンツタブ
ハウスキーピングタブは、現在使用されていないオブジェクトを識別することができます。TCO の削減、未使用コンテンツの削減、ライセンス使用の最適化に有効です。

ハウスキーピングタブ
トレースタブには、従来のモニタリングツールで参照されていたトレース情報と同じものが確認できます。

トレースタブ
パフォーマンス分析、パフォーマンス統計、データアクション統計、およびデータ管理ジョブの統計と分析タブは、SAP Analytics Cloudが標準提供しているパフォーマンス分析ツールを呼び出します。パフォーマンス分析ツールについては、
別のプログポストで紹介します。
まとめ
SAP Analytics Cloud ヘルプ システム概要の使用には、すべてのタブのそれぞれのセクションについて、詳しい説明が日本語で記載されていますのでご確認ください。システム概要アナリティクスアプリケーションを利用していただくことにより、ライセンス使用状況の分析やリソースの使用状況の確認、ライセンス使用の最適化を実施、コンテンツの利用状況からトレーニングニーズの有無を確認、コンテンツの依存関係から開発、拡張の影響範囲の特定、バージョン管理の改善など、システム状況を正確に把握することができます。システムの管理、監視、そして適切な判断を行う材料として、QRC Q2 2023 and Wave 2023.07にてリリースされた拡張版監視ツールを有効活用していただけると幸いです。