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SAP Datasphere では、新機能として「分析モデル」が追加されました。


 

また、リリース 2023.13 以降、「分析データセット」の「セマンティック用途 (Semantic Usage)」の利用は「非推奨(Deprecated)」になりましたが、引き続き、使用することが可能です。

ただし、今後の新しいモデリングでは、「ファクト」を「セマンティック用途」として使用することを推奨します。


 

本ブログでは、今回の変更内容と実装プロジェクトへの影響について解説します。

※ 本ブログは下記のブログを翻訳、補足解説したものです。

SAP Blog : Why are Analytical Datasets deprecated and what does it mean for your project ?

SAP Blog : Motivation & Comparison with the Analytical Dataset

 

新しい「分析モデル」、「ファクト」とその利点について


「ファクト」「分析データセット」と同様の操作でデータをモデリングできます。エディタでのモデリング・エクスペリエンスとすべてのモデリングガイドラインはまったく同じです。

この「ファクト」「分析データセット」の比較、違いを説明するよりも、SAP Data Warehouse Cloud 時代の従来のモデリングの方法と、SAP Datasphere で導入された「分析モデル」を利用した新しいモデリングの方法の違いについて説明した方がわかりやすいと思いますので、まずはそこから解説したいと思います。

 

モデリング方法(ステップ)の変更について


SAP Data Warehouse Cloud 時代のモデリング方法とオブジェクトの種類は下記の通りです。


 

また、シンブルなモデリングとして、下記のように複数のテーブル/ビューを「結合 (Join)」で組み合わせてデータセットを作成されていたかと思います。


 

単一の「分析データセット」を複数のSACストーリーで利用していたので、一見、シンプルな構成に見えますが、個別要件の分析/レポートを作成する場合には共通の「分析データセット」を変更するか、同様の「分析データセット」を追加で作成する必要がありました。

 

続いて、SAP Datasphere で導入された「分析モデル」と今回リリースされた「ファクト」を利用したモデリングとオブジェクトの関係は下記の通りです。


 

SAP Datasphere から導入された「分析モデル」では、まず、「ディメンション(テーブル/ビュー)」「 ファクト(テーブル/ビュー)」を定義 / 作成し、それらの関連付けを行い(スタースキーマの定義)、それを元に各分析要件に応じて「多次元キューブ」を定義 / 作成するステップとなりました。

詳しい操作方法や関連情報は下記のブログも併せてご確認ください。

はじめての SAP Datasphere Part 3 : モデリング

SAP Datasphere モデリングTips:スタースキーマ設計時のE/Rモデルの活用

 

このモデリング方法によって、様々なニーズの分析 / レポート要件に柔軟に対応できるようになりました。

また、「分析データセット」「ファクト」には大きな違いが 1 つあります。それは、「ファクトは SAP Analytics Cloud から 直接アクセスできない」ということです。

SAP Analytics Cloud からアクセスする場合は「ファクト」を定義した後、「分析モデル」を定義します。

 

この新しいモデリング方法/新機能には次の利点があります。























特徴 分析データセット ファクト + 分析モデル
集計 SUM、COUNT などの標準集計のみ

例外集計を含む、標準および集計後のメジャー (計算メジャー、制限メジャー、固有値カウントメジャー等)

SAP Analytics Cloud ストーリーで実装していた集計後のメジャーを分析モデルで実装することにより、リアルタイムデータ活用のメリットが得られ、計算式の再利用が促進されます。

メジャーと属性の選択


すべてのメジャーと属性、第 1 レベルのディメンション (ファクトに直接関連付けられている) を SAP Analytics Cloud に対して公開します。

ファクト内でメジャー、属性、ディメンションへの関連付けをモデル化し、各分析モデルで必要な項目のみを公開します。

第 1 レベルのディメンション (ファクトに直接関連付けられている) だけでなく、そのディメンションと関連付けされているディメンションも属性を選択できます(スノーフレーク型スキーマをイメージしていただけたらと思います)。

 

データ


ビューア


テーブル形式 (リレーショナル データ) で表示されます。 SAP Analytics Cloud の Data Analyzer に基づく分析ビューアは、メジャーと属性の選択、フィルタリングとピボット、階層をサポートします。

 

例として「分析データセット」のメジャーの集計は下記の通り、シンブルな標準集計のみでしたが、


 

「分析モデル」では様々なメジャーの集計方法が利用可能になりました。


(例) 計算メジャー


 

※ 高度な集計方法 / 利用方法については、下記のブログを参考にしてください。

SAP Blog : 分析モデルでの各種メジャー解説

SAP Blog : Calculated and Restricted Measures

SAP Blog : Exception Aggregation

SAP Blog : Variables in Analytic Model

SAP Blog : Time Dependency for Dimensions and Texts in Analytic Model

 

「分析データセット」が非推奨になった経緯


「分析データセット」はハイブリッドの役割を果たしてきました。

一つは、通常のデータベース テーブルまたはビューのようなリレーショナル モデルとしての役割です。もう一つはSAP Analytics Cloud などの分析ツールを使用するための多次元モデル (キューブ)の役割です。

これらの両モデルを同じエディタで同時に実装されるため、エディタはすべての分析 / レポート要件に対してニーズを満たすことが難しいケースがありました。

モデリングアーキテクチャと再利用性にも影響を及ぼし、最も重要で最もニーズの高い「高度な分析機能」をモデリングで実装できない課題がありました。

このため、「グラフィカル ビューでのリレーショナルデータのモデリング」「分析モデル作成による多次元モデルのモデリング」を分離することにしました。

「分析モデル」では、メジャー、属性、ファクトに関連する全てのディメンションの選択、分析データのプレビューなど、分析オブジェクトの設計において、さらに多くの自由度が提供されます。

この分離により「分析データセット」の二重の性質は必要なくなり、代わりにリレーショナル部分を「ファクト」で、多次元モデル部分は「分析モデル」によって引き継がれることになりました。

次の図は、オブジェクトをデプロイしたに内部で生成されるDBオブジェクトを表しています。


 

既存の「分析データセット」を再モデリングする必要は ?


作成済みの既存の「分析データセット」を全て再モデリングする必要はありません。

「分析データセット」のセマンティック用途は非推奨ですが、現時点では既存のビューを SAP Analytics Cloud で引き続き使用できます。

ただし、今後作成する新しいモデルは「ファクト」+「分析モデル」を使用することを推奨します。

また、今後、さらに分析要件が高度化するデータモデルについては「ファクト」+「分析モデル」に移行することを推奨します。

 

「分析データセット」はいつまで利用可能か ?


当面、SAP Datasphere から「分析データセット」が無くなる予定はありません。

ただし、今後の分析モデリングへのすべての開発投資は「分析モデル」に対して行われ、新機能追加や機能拡張は「分析モデル」に対して行われます。

既に「分析モデル」「分析データセット」を大幅に上回るモデリング・エクスペリエンスと豊富な機能を提供しています。

 

「分析データセット」の「ファクト」への移行方法


こちらのマニュアルをご確認ください。

 

まとめ



  • 「ファクト」「分析データセット」を 1:1 で置き換えるものではありません。

  • 「ファクト」はリレーショナルデータとして SQL でアクセス可能ですが、SAP Analytics Cloud によって使用される多次元キューブ構造を置き換えるものではないため、SAP Analytics Cloud は「ファクト」を直接使用できません。

  • 「分析モデル」は、SAP Analytics Cloud 用の「多次元キューブ」を提供します。

  • 「分析データセット」はまだ利用可能であり、引き続き、使用できます。ただし、今後作成する新しいデータモデルは「ファクト」+「分析モデル」を使用することを推奨します。

  • 各プロジェクトの状況に応じて「分析データセット」「ファクト」に移行することを推奨します。