こんにちは!
前々回、前回のブログでは、SAP S/4HANA での Fiori launchpad、SAP S/4HANA Cloud での Fiori launchpad の作り方を、最もシンプルな構成例をもって紹介してきましたが、今回は、SAP Business Technology Platform 上での SAP Build Work Zone, standard edition における初歩的なサイトの作り方について、ブログを書きたいと思います。
SAP Build Work Zone, standard edition とは
SAP Build Work Zone, standard edition は、SAP、SAP以外を問わず様々なアプリケーションを開始できるポータルサイトを構築し実行するためのクラウド上のサービスです。
- SAP Build Work Zone, standard edition により、ユーザは様々なITシステムに個別にアクセスして渡り歩く必要無く、各個人ごとに必要なアプリ群を、バックエンドのITシステムを意識することなく利用することができるようになります。また、複数アプリケーションのワークフローからのタスクをまとめて受け取る統合受信ボックス SAP Task Center、モバイルからの利用を可能にする SAP Mobile Start、SAP S/4HANA 他からの通知をまとめて受け取れる通知機能などもあります。
- SAP Build Work Zone, standard edition の利用シナリオとしては、アプリケーションポータル、企業ポータル、部門ポータル、サプライヤポータル、カスタマーポータルなどがあります。
- 関連サービスである SAP Build Work Zone, advanced edition は、名前の通り、SAP Build Work Zone, standard edition を拡張し、ユーザの生産性と関与度をさらに向上させるために、Webコンテンツ、画像、動画の取り込み、文書共有、フォーラムなどのコラボレーション機能、ビジネスユーザによるWISIWIGベースのサイト編集機能などを含んでいます。
参考にしたチュートリアルと構築したサイト
SAP Build Work Zone, standard edition でのサイトとは、構築するポータルの最上位の構成要素であり、ユーザはこのサイトのURLにブラウザからアクセスすることでポータルを利用します。サイトのレイアウト構成方法は、従来からのグループによるレイアウトに加えて、新たに、領域(スペース)とページによるレイアウトの機能が加わってきています(SAP S/4HANA、SAP S/4HANA Cloud での場合と同様です)。
今回、以下の開発者向けのチュートリアルに沿って、無償の SAP BTP Trial 環境を使って、サイトを構築してみました。
最終的に出来上がったサイトのスクリーンショットが以下です。
最初の
Mission: Create a Business Site Using SAP Build Work Zone, standard edition, and Add Applications and UI5 Car... で構成した要素関連図(領域 Home に関して)が以下です。
Home の右側の領域(スペース)は、2番目の
Mission: Enhance Your SAP Build Work Zone Site with Federated SAP S/4HANA Content を参考に構築しています。SAP S/4HANA のコンテンツ(領域、ページ、タイルの構成)をロールベースで公開し、Work Zone 側で取り込むことによってサイト内に配置しています。
SAP S/4HANA の Fiori アプリをひとつひとつ指定していくこともできますし、このようにロールベースで統合することもできます。SAP S/4HANA で設定したコンテンツをそのまま Work Zone でも再利用できるというメリットを享受できる仕組みです。
補足
前回のブログと同様に、主な構成要素とその設定のためのアプリを表にしました。