このポストはSAPの新しい移送ツールgCTSをご紹介するシリーズの第3回目です。前回までは、gCTSの概要を確認し、設定方法についてお知らせしましたが、ここでは実際にgCTSを使用してGitにアップロードする手順についてご紹介していきます。
なお、スクリーンショットに使用した画面は、SAP S4/HANA 1901 FPS01 のものです。
開発を行う
まず最初に、開発を行います。開発は、トランザクションコード SE80 や SE38 などを使用していただいてもよいですし、Abap Development Tool などのツールを使用していただいても構いません。
開発が完了したら、保存して変更を移送依頼に書き込んでおきます。
GitにPushする
開発が終わったらgCTSからGitにpushします。
まず、Gitブランチを確認しておきます。
gCTSのFioriアプリを開いて、設定編で登録したリポジトリの>ボタンを押します。
すると、リポジトリ用の画面に遷移します。リポジトリ名が表示され、リポジトリ用のタブが並んでいるのがわかります。
Branchesタブを選択し、+ボタンを押してブランチを追加します。gCTSで追加されたブランチは、Gitにも追加されます。
Active欄にチェックのついたブランチに対して、Pushで変更が同期されます。
Objectsタブを選択した後+ボタンを押して、先ほど開発したオブジェクトをgCTS内のリポジトリに追加します。
開発オブジェクトを選択してPushボタンを押します。
以上で、GitのリモートリポジトリへのPushが完了しました。
Gitで確認する
(ここでは、GitHubを使用しています)
WebブラウザでGitHubに移動し、リポジトリを確認します。
Activeになっていたブランチに対し、指定したオブジェクトが追加されています。
さらに、フォルダの中のabapファイルを確認すると、実際に開発したソースコードを確認することができます。
以上で、gCTSで選択したオブジェクトがGitのブランチにpushされたことを確認できました。
ここからは、Gitの機能を利用してmasterブランチにプルリクエスト送ったりプルリクエストをマージしたり…という操作を行うことができるようになります。また、今回は触れませんが、Gitから変更をS4/HANA側にデプロイすることも可能です。
以上で操作は完了なのですが、最後に、STMSの情報を確認しておきましょう。変更をGitにPushすると、設定編と同様にSTMSにも変化が見られます。
トランザクションコードSTMSで移送ログを確認します。
すると、上記のようにpushの履歴を確認することができます。gCTSが移送管理ツールであるということがわかります。
以上、3回にわたってgCTSの概要/設定/使用法をご紹介しました。ご覧いただきありがとうございました。