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Nishii
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*この記事は chillSAP 夏の自由研究2021 の記事として執筆しています。


 

はじめに


冒頭の自由研究の題材として、今年のSAPPHIRE NOWを取上げてみたいと思います。

昨年に引続き、2021年6月のSAPPHIRE NOWもオンライン開催となりました。今年はスケジュールや内容の告知が事前に整備されて開催されたのでスムーズに参加することができました。誰もが参加できるようになったオンライン開催。今後も現地開催と並行して続けてほしいなと思います。Globalのイベントサイトはまだしばらくはアクセスできそうです。(なお、7月にはRegionalイベントとしてSAPPHIRE NOW Japanも開催されましたが、こちらのサイトは既にCloseされています。)


 

SAPPHIRE NOW 2021




今年のSAPPHIRE NOWはどのような内容だったのでしょうか?世界で相互に繋がるビジネス、世界で立向かう気候変動。主なテーマは下記の3つでした。

・Intelligent Enterprise
・Network
・Sustainability

CEOのChristian Kleinからそのコンセプトが語られ、それぞれのテーマごとの新発表はMicrosoft社から移籍したマーケティングトップのJulia Whiteにより展開されました。基調講演の最後にはSAP共同創始者のHasso Plattnerが出演し、SAPのコア戦略であるIntelligent Enterpriseの実現に重要な役割を果たすBusiness Process Intelligenceの意義が語られました。

SAPさんがKeynoteの内容を分かりやすく解説下さっているリンクがありますので、内容詳細は割愛させて頂きます。


 

SAPトレンドの考察


さて、ここからが自由研究です。毎年新しい発表があるSAPPHIRE NOWですが、年に1回なのでどうしても点での理解になりがちです。これまでの毎年の発表の積み重ねの中で現在のトレンドが形成されているはず、という仮説をもとに振り返ってみました。題して「SAPトレンドを振返る」。ビジネスとテクノロジーの両面から見たかったため、SAPPHIRE NOWとTechEdの主立った発表をピックアップし、図にして考察してみました。

 


 

- 振返る10年。


現在のSAPトレンドは、遡ること10年前のHANAデータベースの登場に始まりました(今年のSAPPIRE NOWのKeynoteに出演したHasso Plattnerが産みの親です)。その後、SAPテクノロジーは発展を続け、HANAデータベースを備える次世代型ERPとしてS/4HANAが発表されます。クラウド潮流にも乗りS/4コア以外のサービスもSAP Cloud Platformとして発表され、現在はBusiness Technology Platformに形を変えてDNAは受け継がれています。

一方、この10年間の戦略面を見ると、一貫性が出てきたのはS/4HANAが登場した翌年の2016年からです。Dataの重要性、AIの活用など、世のトレンドを徐々に取り込んでいきます。2018年に発表したIntelligent Enterpriseは、それらテクノロジーを活用して発展する企業そのものを指しており、SAPは世界の顧客をそこへ導くリーディングカンパニーという立ち位置を明確にしました。

Intelligent Enterpriseという考え方は2014年~2019年までCEOとしてSAPの舵取りをしたBill McDermottにより「ビジネス全体を支える存在」として発表され、2020年にCEOとなったChristian Kleinに受け継がれています。そしてChristian Kleinは2021年1月、テクノロジーと戦略を融合させた新しいOffering、“RISE with SAP”を世に送り出し、「ビジネスを変える存在」として発表します。どう変えていくのかが今回のKeynoteで語られ、日本を含めた全世界でこの”RISE with SAP”がトレンドを牽引しています。RISE with SAPを構成する実態のS/4HANA Cloud | Business Technology Platform | Bushiness Network | Business Process Intelligenceの動向に注目が集まります。


 

- Intelligent Enterpriseの変化。


SAPPHIRE NOWでも繰り返し登場するこのキーワード。2018年から使われるようになりましたがこの前身も含めて2016年以降の変化をPictureで見てみます。


 

「無限」から「階層」へ。動的な動き→静的な積重ねに変わったことで、何がどこに分類されてるのか、何に手をつけたらいいのか少しだけ把握しやすくなった気がします。


 

トレンドの中での立ち位置


先のトレンドで登場したRISE with SAPは、現在も継続してオプショナルな拡張が入っているものの、徐々にそのコア概念は定着しつつあります。全世界で同時進行していることから、しばらくこの流れは続きそうです。もちろんその内容の理解も大切ですが、あくまでIntelligent Enterpriseを目指すためのパッケージサービスの位置付けなので、本質のIntelligent Enterpriseに着目する必要があります。ビジネストレンドがある中で、現場で技術に向かい合う自分はどのような立ち位置で何を抑えていけばいいのか、いつもこの図を見ながら悩みます。


(ここからは完全なPersonal Insightですが)このIntelligent Enterpriseの図、企業が向き合うビジネス色が強い領域と、個人が向き合うテクノロジー色が強い領域とがあるような気がしています。例えば、Business NetworkとIndustry Cloudは前者、Business Technology PlatformやIntelligent Suite、HyperScalerは後者といった具合です(まだ詳細はこれからのBusiness Process IntelligenceやSustainability等は一旦その中間)。Free Trialが充実しているのはやはり後者ですので、そちらにフォーカスするのは必然の流れです。

しかしながら、Business Technology Platformは分野が広く、Intelligent Suite、HyperScalerもバリエーションがあります。全てに手出しすることは難しいので、自身の経験分野をベースにして手を伸ばせるテクノロジーはどれだろうか、それはビジネスアジェンダのどこにつながるのだろうか、という想像と自問が欠かせません。従来のSAPモジュールの考えや、ABAPやBASISの既成概念を時には崩してみたり、極力前提を設けず取組む内容を模索しています。もしかすると模索などする以前に様々なテクノロジーに触れてみて、その結果で何か分かってくるのかもしれません。ゼロではないものの、抑えるべき内容の答えを見つけるのは難しいです。当たり前過ぎて纏まりもありませんが、自身の経験軸に立脚し、テクノロジーの変化を把握し、楽しく取入れていくことの継続で、自分らしい方向性と立ち位置が見つかればいいのかなと今は考えています。

 

おわりに


SAPPHIRE NOW 2021への参加を機会に、SAPトレンドを振返り自由に研究してみました。一つ、研究の結果から分かった確かなことは、SAPトレンドの形成はテクノロジーが起点になり始まっていたという点です。どういう事柄に取組んでいくにせよ、技術を見据える目、それを実現するチカラは持ち続けていきたいという想いをひときわ強くした夏でした。
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