はじめに
これまで、Fioriの説明の際に
「会社のロゴを入れたり、デザインを変えたりすることもできますよ~」
と紹介してきました。
しかし、実際に変えてみたことはありませんでした。
先日、Fiori の
openSAPコースをやってみたら、思ったより気軽に変更できそうだったので
「ぜひ自社のS4HCデモ環境で試してみたい!」と考え、夏の自由研究としてやってみました。
設定自体はとても簡単にできますので、やったことを共有します。
この記事は
chillSAP 夏の自由研究2020 の記事として投稿しています。
やり方
最初、FioriといえばPortal、という思い込みがあり、
Portalのチュートリアルをやってみましたが、完全な寄り道でした。(Cloud Foundry版のポータル、面白かったです)
正しくは
UI Theme Designer というサービスを使います。
こちらにドンピシャのブログがあったため、この通りにやりました。
SAP S/4HANA Cloud : Setting up Custom UI Theme
(手順については、スコープアイテム 2TV でダウンロードできるテストスクリプトや設定手順もぜひ参考にしてください)
やったこと
- 会社のロゴやコーポレートイメージの画像を準備する
- UI Theme Designer でユーザ定義テーマを作成して公開する
- Neo環境に themes アプリを作成してデプロイする
- SAP S/4HANA Cloud でスコープアイテム 2TV を有効化する
- SAP S/4HANA Cloudの通信契約を設定する
かんたんです。
ここからは、特に気づいた点について紹介します。
UI Theme Designer でユーザ定義テーマを作成
編集画面では、右側のアイコンによって、設定のレベル感が変わります。
簡易テーマ設定
通常SAPロゴが表示されている箇所に、会社ロゴを設定できます。
詳細テーマ設定
背景にコーポレートイメージの画像を設定します。
背景の不透明度を調整すると、邪魔にならない程度の淡い色合いにできます。
アイコンの色をコーポレートカラーにしてみます。
この3点だけで、なかなか自社オリジナル感が出ました。
作成して「公開」をすると、SAP Cloud Platform 上にHTML5アプリが作成されます。
Neo環境に themes アプリを作成
手順どおり、用意されているコードを neo-app.json にコピ&ペーストし、SAP Cloud Platformにデプロイします。
ヘルプによると、下記の役割があり、これを通じてユーザ定義テーマにアクセスできるようです。
Application Descriptor ファイル neo-app.json を使用し、テーマにアクセスするためのテーマ設定サービスへのパスをマッピングすることにより、SAPUI5 アプリケーションの動作を設定します。
S/4HANA Cloud 通信契約の設定
通信契約を設定していくと「追加プロパティに、プロパティ名がない…?」となります。英語ではちゃんと表示されるので、単に日本語のラベルが用意されていないみたいです。
手順書にあるとおり、下記の順番で設定してください。
- テーマID(全ユーザのデフォルトになる)
- テーマ名(設定しない場合は UI Theme Designer で設定したテキストに)
- 追加のテーマID(追加テーマとして選択できるようになる)
ここまで!
このステップで、保存時にエラーが発生しました。
先ほど作成したユーザ定義テーマが認識されず、エラーとなってしまいます。
理由:トライアルアカウントのテーマは反映されないため
残念ながら、トライアルアカウントで作成したテーマは使えないようです。(OSS回答)
一夜にしてデフォルトのテーマを入れ替えて、驚かせようと思ったのに…!
SAPCP の有償環境と、S/4HANA Cloud 環境をお持ちの方は、ぜひ試してみてください。
気になること
S/4HANA Cloud の 2TV のテストスクリプトでは、Neo環境での設定方法しか提示されていません。
UI Theme Designer 自体は
Cloud Foundry環境にも用意されています。Cloud Foundry 版のヘルプの適用手順にも同じこと(neo-app.json)が書いてあるので、おそらく同じ手順でいけるとおもいますが、未検証です。(Cloud Foundryのトライアルにはありませんでした)
→追記:現時点ではS/4HANA Cloud は Neo環境のテーマデザイナーにしか対応していないそうです。(OSS回答)
感想
想像以上に手軽にイメージを変えられるツールでした。
開発スキルなしで、画面を好き勝手に変えられるのは、非常に楽しいです。
いつか有償のSAPCP環境を入手したら、今度こそ S/4HANA Cloud 向けテーマを作って適用したいと思います。