
本ブログシリーズでは、SAP S/4HANA(以下、「S/4」) とSAP Datasphere (以下、「Datasphere」) とのデータ連携の設定について解説します。
今回はCoud Connector のインストールから設定までを解説します。
Cloud Connector をインストールする前に下記のマニュアルの「前提条件」をご確認ください。
ハードウェアのリソース、必要なソフトウェア、サポートしているOS、ネットワークの情報などが記載されています。
Cloud Connector : 前提条件
JDKのインストールも必要になるので、SAP Development Tools のサイトからSAP JVMをダウンロードしてインストールしておいてください。
今回はWindows版のCloud Connector のインストールを例に、その設定手順の概要を理解していただきます。インストールを始める前に下記のマニュアルをご一読ください (Microsoft Visual Studio C++ ランタイムライブラリなどの事前のインストールが必要になります) 。
まず、前述のSAP Development Tools のサイトからWindows版のCloud Connector をダウンロードします。
インストールはWindowsの管理者権限を持つユーザーで行います(今回はAdministratorユーザーで実施)。
まず、ダウンロードしたsapcc-<version>-windows-x64.msi をダブルクリックしてインストールを開始します。
インストール先のフォルダ、管理 UI にアクセス可能なポート(今回はデフォルトの8443)を確認します。
使用するJDKのディレクトリなどを指定して、Cloud Connector インストール後にすぐに起動するか確認した後、インストールを開始します。
インストールが正常終了したら、Closeボタンをクリックします。
設定を開始する前に下記のマニュアルをご確認ください。
Cloud Connector : 初期設定
クラウドコネクタの設定時に必要となる SAP Datasphere サブアカウント情報を確認します。
SAP Datasphere サブアカウント情報を取得するには、サブアカウントが SAP BTP アカウントのユーザ ID にリンクされている必要があります。
Datasphereにログインし、「システム」 > 「管理」を選択し、「データソース設定」タブを選択します。
Cloud Connector を設定するために自分のメールアドレスでアカウント情報を変更します。
画面右上の「編集」ボタンをクリックし、自分のメールアドレスを入力した後、「Cloud Platformユーザを変更」ボタンをクリックして、アカウント名、サブアカウントユーザが変更になったことを確認します。
変更を確認後、「保存」ボタンをクリックします。
ここで表示されたアカウント情報をコピーしておいてください。
設定を開始する前に下記のマニュアルをご確認ください。
Cloud Connector : 初期設定
SAP Datasphere : クラウドコネクタの設定
まず、Webブラウザで Cloud Connector の管理画面にアクセスします。
https://<hostname>:<port>
Cloud Connector をイントールしたマシンで設定する場合はlocalhostを指定し、Portはインストール時に指定した Cloud Connectorのポートです (デフォルトポートは 8443)。
ログイン画面で、<User Name>/<Password> に Administrator / manage (初期パスワード) を入力します。
次の画面で管理者のパスワードを設定してください。
(1)で取得したサブアカウント情報を元に登録作業を行います。
「Region」にはDatasphereのテナントが存在するデータセンターを選択し、(1)で取得したアカウント情報を「Subaccount」を入力し、「Login E-Mail」、および 「Password」を入力します。
「Display Name」 はCloud Connector 内での設定情報を識別するための名前を付けます。
「Location ID」は、Datasphere 側でCloud Connector を識別するための一意の名前を付けます(この命名は大事です)。
設定が終了したら、「Save」ボタンをクリックします。
次の画面でStatus が Connected になっていることを確認してください。
※ 注意 : 本ブログでは説明を簡略化するために、HTTPS Proxy の設定をしていませんが、社内ネットワークから外部システムにアクセスする場合はProxy サーバ経由することが一般的です。下記のマニュアルを参考に、社内のネットワーク管理者にPoxy サーバの情報を確認して設定してください。
Cloud Connector : 接続パラメータと HTTPS プロキシの設定
※ 注意 : ファイアウォールで外部のシステムへのアクセスを制限している場合は、ファイアウォール/プロキシの許可リストに以下のドメインを追加してください。
*.hanacloud.ondemand.com
*.k8s-hana.ondemand.com
SAP Datasphere から社内ネットワーク内のシステム (オンプレミス) にアクセスできるようにするために、そのシステムおよびアクセス可能なリソースをCloud Connectorで指定します。
SAP S/4HANAのオンプレミス/プライベートクラウドに接続するための設定を行います。詳細は下記のマニュアルも参照してください。
Cloud Connector : アクセス制御の設定 (RFC)
「クラウドからオンプレミス」をクリックした後、 「アクセス制御」タブの仮想システムから内部システムへのマッピングセクションで「+」(追加) をクリックして、システムマッピングの追加ダイアログを開きます。
「Back-end Type」に「ABAP System」を選択します。
「Protocol」には「RFC」を選択します。
「Connection Type」では、接続対象のS/4システムの構成に合わせて、負荷分散ログオンを設定するか、または特定のアプリケーションサーバに接続するかを選択します。
今回はアプリケーションサーバに接続します。
「Application Server」ではABAP システムのアプリケーションサーバとインスタンス番号を指定します。
Cloud Connector では「Virtual Application Server」を設定して、実際のホスト名をクラウドから非公開にしたい場合に別名を付けて仮想サーバとしてアクセスすることができます。
この例では、ホスト名だけ仮想ホスト名を付けています。
システムマッピングの概要を記載して終了です。
念のため、システムマッピングの保存時に、「Check Internal Host」チェックボックスを使用して、Cloud ConnectorからS/4システムのアプリケーションサーバへの ping を行い、Cloud Connectorが実際にシステムにアクセスできるかを確認します。
ステータス が「Reachable」 が表示されたら成功です。失敗した場合は、警告が表示されます。Details ボタンを選択して問題の詳細を表示するか、ログファイルで問題の詳細をチェックすることができます。
オンプレミス/プライベートクラウドのS/4システムにアクセスするためにリソース(呼び出し可能な汎用モジュール)の追加を行います。
具体的には、S/4システムのCDS Viewにアクセスするために、下記のリソースを追加します(最新情報は下記のマニュアルをご確認ください)。
「Resources Of ... 」で 「+」(追加) をクリックします。呼び出しを許可する特定の汎用モジュール名を入力するように求めるダイアログが表示されます。追加するリソースの数だけ本作業を繰り返します。
Cloud Connectorの設定でロケーション ID を定義した後、Datasphereのデータソース設定でロケーション ID を追加します。
「システム」 > 「管理」 から 「データソース設定」タブを選択し、「他のオンプレミスデータソース」にロケーション ID を追加します。
Cloud Connectorの設定で指定したロケーションIDを指定します。
「エージェントを有効化」はOFFのままで大丈夫です(別のエージェントのことです)。
設定は以上です。
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