SAP Datasphereは新機能として「分析モデル」が追加されました。
「分析モデル」では、ファクトに保持するメジャー、ディメンション、ディメンションの属性情報からの選択、分析データのプレビューなどの機能が追加されたことにより分析オブジェクトの設計において、さらに多くの自由度が提供されました。
本ブログでは「分析モデル」の新機能のうちデータプレビュー機能について紹介します。
データプレビュー
データプレビューでは、SAP Datasphere の分析モデルを利用し、SAP Analytics Cloudでストーリーを作成せずに集計結果のデータをExcelのピボットテーブルのようにプレビューすることができます。
分析モデルのソースとしているビューのデータ内容や分析モデルで作成した各種メジャー(計算メジャー等)のデータ内容が分析モデルをデプロイする前に確認することができます。
複雑な式の内容を記入した後、すぐに式の結果を確認することができますのでモデリングをスムーズに行うことが可能です。
データプレビュー画面説明

1.モデルとプレビューの切替
分析モデル設定画面にてプレビュー画面に切り替えることができます。
2.ディメンションを選択して列または行に配置
利用可能なオブジェクトのディメンションの横にある列/行をクリックすると選択した項目が列/行に配置され、データをドリルダウンしてみることができます。
3.行と列に属性をドラッグ&ドロップして並べ替える
「2.ディメンションを選択して列または行に配置」と同様の機能ですが、項目をドラッグ&ドロップして移動することができます。
また、選択した項目の削除は項目の右側にある削除ボタンを押すとプレビュー項目から削除されます。
4.ページレイアウト
メジャー選択:メジャー項目を選択することができます。
スケール:スケール値を設定することができます。(千、百万等)
スケール書式:スケールの書式を設定することができます。(1000,100万等)
小数部:小数点の設定をすることができます。(小数点以下2桁等)
符号の表示形式:符号の表示を設定することができます。(“+/-“、”()“)
5.その他
ゼロ非表示:行/列のゼロ表示の設定ができます。
合計の位置:合計を表示する場所の設定ができます。
クエリ:行と列の交換と、変数の値が変更できます。
6.ディメンションまたはメジャーのフィルタ
メジャーまたはディメンション毎に様々なフィルタを作成できます。利用方法の例を別の章「フィルタ」をご確認ください。
7.結果
設定した表示設定をもとにデータが表示されます。
8.最新表示(リフレッシュ)を一時停止
項目追加や設定を設定すると常に結果がリフレッシュされます。多くの表示設定をする場合など、一時停止をクリックして設定後に表示設定を行い、一時停止をクリックして解除すると設定内容をまとめてリフレッシュすることができます。
フィルタ
分析モデルで設定したデータの結果を参照する際に、メジャーまたはディメンション毎にフィルタを作成することができます。
今回は例としてデータプレビューで会社コード「A000」で金額が100円以上の金額を確認します。
フィルタがかかっていない状態のプレビューが以下となります。

フィルタは
6.ディメンションまたはメジャーのフィルタで作成します。
この例では会社コードを「A000」でフィルタする為の設定方法を紹介します。
ディメンションまたはメジャーのフィルタ->ディメンションをクリックします。
ディメンションの一覧が表示されますので、フィルタを設定したい項目「会社コード」をクリックします。
会社コードの一覧が表示されますので、フィルタを設定したい会社コードを選択します。
※この例では「A000」を選択します。

会社コード「A000」にフィルタが設定された結果が表示されます。

次に会社コードと会計年度の組み合わせでデータを確認した際に「金額(会社コード通貨)が100円より大きい」というフィルタを行いたいときの設定手順についてご説明します。
ディメンションの組み合わせで集計された数値に対してフィルタを設定する場合には
ディメンションコンテキストに「会計年度」と「会社コード」を追加する必要があります。

会社コード「A000」で金額が100円より大きいものでフィルタが設定された結果が表示されます。

※集約用のディメンションコンテキストを設定しないと意図したとおりのフィルタが設定されず、不要なデータが表示されてしまうので注意してください。
これは金額(会社コード通貨)のみフィルタを設定したので、会社コードと会計年度の次元コンテキストがないからです。

ヘルプリンク
SAP Datasphere Analytic Model Series – Data Preview
SAPヘルプ
最後に
本ブログでは、分析モデルのデータプレビューの使用方法を例として会社コード「A000」で金額が100円以上の金額を確認する方法を簡単に紹介しました。
SAP Datasphereでモデリングした結果をすぐにデータで確認することができるようになりましたので、ご参考になると幸いです。
分析モデルについての詳細なブログ
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SAP Datasphere モデリング : 新しい「分析モデル」の利用と「分析データセット」
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換算レートの連携 と 通貨換算ビューの有効化
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SAP Datasphereの分析モデルでの各種メジャー作成機能のご紹介
・SAP Datasphereの分析モデルでのデータプレビューのご紹介(←本ブログ)
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SAP Datasphereの分析モデルでの例外集計のご紹介
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SAP Datasphereの分析モデルでの変数のご紹介