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今回は多次元レポート用に
階層(ヒエラルキー)を設定する方法について解説します。
階層というと、少し難しいかもしれませんが、Analytics ツールで
ドリルダウン/ドリルアップするために、各属性間の「上下関係」を指定する作業です。
下記の図にある通り、例えばJapanの売上の棒グラフをクリックしてドリルダウンすると、その配下の都市毎の売上データを見ることができます。
このようなドリルダウンを行うためにSAP Data Warehouse Cloud (以下、「DWC」) 側での設定方法、いわゆる、「
モデリング」について解説します。
※ 今回のBlog 読者の対象者は、こちらのBlogを一通り、確認/経験された方になります。
こちらのBlogで解説した通り、通常はテーブルを作成した後、ビューを作成する流れですが、今回のような本格的な分析/レポート用のモデリングをする場合は、下記のような設定の流れになります。
1. マスターテーブルをベースとした
ディメンションタイプのビューを作成
2. ファクトテーブル(トランザクションテーブル ) とディメンションビューの関連付け
ディメンションタイプのビュー作成
まず顧客マスターのディメンションビューを作成します。
左メニューの「データビルダ」を選択し、「新しいグラフィックビュー」をクリックし、「顧客マスター」をDrag & Dropしてビューを作成します。
ビューに名前を付けて「
セマンティック用途」に「
ディメンション」を選択します。「利用のために公開」をONにすることも忘れないでください。
その後に「hierarchy(ヒエラルキー)」のボタンをクリックし、「レベルベースの階層の追加」を設定します。
ビジネス名と技術名はデフォルトのままにして、レベルを追加してきます。
この顧客マスターのディメンションは階層の順番が「REGIONNAME(地域)」、「COUNTRYNAME(国)、「CITYNAME(都市)」、「CUSTOMER(顧客)」になりますので、階層が
高い順番から指定して行きます。
次に列名の表示変更を行います。英語の名前を日本語に修正し、各ID列を非表示に設定します。
設定が終わりましたら、「保存」ボタン、「デプロイ」ボタンの順番にクリックして、顧客マスターディメンションビューを有効化します。
続いて、同じ要領で製品マスターテーブルを利用した製品ディメンションビューを作成します。
製品マスターテーブルをDrag & Drop して、ディメンションビューの名前を入力し、「
セマンティック用途」に「
ディメンション」を設定します。「利用のために公開」をONにすることも忘れないでください。
「ヒエラルキー」のボタンをクリックし、「レベルベースの階層の追加」を設定します。
先ほどと同様にビジネス名と技術名はデフォルトのままにして、レベルを追加してきます。
製品マスターの場合は、「LINENAME(製品ライン)」、「CATEGORYNAME(製品カテゴリー)」、「PRODUCTNAME(製品)」の階層の順番になります。
設定が終わったら、列名の表示変更を行います。英語の名前を日本語に修正し、各ID列とDescription 関連の列を非表示に設定します。
設定が終わりましたら、「保存」ボタン、「デプロイ」ボタンの順番にクリックして、製品マスターディメンションビューを有効化します。
ファクトテーブルとディメンションビューの関連付け
次に
受注明細ビューの作成を行います。
ファクトテーブル (トランザクションの履歴データを格納したテーブル) である
受注明細テーブルと、先ほど作成した
顧客マスターディメンションビューと
製品マスターディメンションビューを関連付けます。
「新しいグラフィックビュー」ボタンをクリックした後、受注明細テーブルをDrag & Drop します。
受注明細のビューのビジネス名と技術名を入力し、「
セマンティック用途」には「
分析データセット」を指定します。「利用のために公開」をONにすることも忘れないでください。
分析データセットには「
メジャー」が必要なので、NETSALES列を選択します、その後、NETSALES列の列名を日本語名に修正します。それ以外の列項目については非表示にします。
次に
顧客マスターディメンションビューと受注明細テーブルの関連付けを行います。
アソシエーションの「+」ボタンをクリックして、顧客マスターディメンションビューを選択します。
自動的にCUSTOMERID列同士が関連付けられています。上位の画面に戻るために「受注明細(分析)ビュー」のリンクをクリックします。
続いて、
製品マスターディメンションビューと受注明細テーブルの関連付けを行います。
先ほどと同様にアソシエーションの「+」ボタンをクリックして、製品マスターディメンションビューを選択します。
自動的にPRODUCTID列同士が関連付けられていることを確認し、「受注明細(分析)ビュー」のリンクをクリックして、上位の画面に戻ります。
ここで一手間加えます。
受注明細テーブルの「
PRODUCTID」列と「
CUSTOMERID」列をそれぞれ「
製品属性」と「
顧客属性」の日本語名に修正します。
これは後にSAP Analytics Cloud (以下、「SAC」) で
レポートを作成する際に、ディメンションの指定を分かり易くするためです。
ビューの設定はこれで終了です。
「保存」ボタン、「デプロイ」ボタンの順番にクリックして、受注明細ビュー(分析用)を有効化します。
データの可視化
それでは
SACを使用して、ストーリーを作成してみましょう。
SACにアクセスして、
こちらのBlog を参考にしながらデータソースを選択し、今回作成した「
受注明細(分析)」ビューを選択します。
「チャート」ボタンをクリックし、「メジャー」に「売り上げ」を選択します。
次に「ディメンション」を設定する際、先ほど、
一手間加えた「顧客属性」を選択します。
ここでドリルダウンの動作を確認しましょう。
棒グラフを選択し、「
下向きの矢印」をクリックすると顧客属性の「
各地域」がごとの売り上げが表示されます。
さらに「Asia PAC (アジアパシフィック) 」の棒グラフを選択し、「下向き矢印」をクリックすると、アジアパシフィック地域の Japan, Thai, Singaporeなどの各国毎の売上が表示されるなど、ドリルダウンをしながらデータを可視化することができます。
レポートが確認できたら一旦ここでレポートを保存します。
追加で「製品属性」毎の売り上げのパイチャートを作成してもいいでしょう。
いかがでしたでしょうか ?
データモデリングが、いわゆる「スタースキーマ」型にビジュアルに表示されないので、直感的に分かり辛いところもあるかもしれませんが、頭の中でスタースキーマをイメージしながら作業を進めていただけたらと思います。
ありがとうございました !!