1. はじめに
本内容は、概要編、各機能とInstanceの登録編、Requestを作成するハンズオン編の3回に分かれた構成になっています。
本ブログは、第一回概要編です。
2. 序章
SAP Integration Solution Advisory Methodology(以下:ISA-M)は、システムとシステムの連携に関する方法論です。
Integration Assessmentは、
ISA-Mの概念(Power Pointのテンプレート)を利用して、連携ソリューションを提案するSAP Integration Suiteの新機能です。Integration Assessmentで提案してもらうために必要なのは、連携したいシステムの登録と検討している連携ツールの登録、そしてビジネスおよびテクノロジー要件の質問に少し答えるだけです。
また、使い方は非常にシンプルです。
まず連携するシステム、その際に検討している連携ツールをそれぞれインスタンスとして登録します。次にRequest(業務要件および技術要件)を設定します。そしていくつかの質問に答えていただきます。最終的にそれらの内容を基に、インスタンスとして登録した連携ツールの中でより良い製品が提案されます。
Integration Assessmentはデフォルトで、SAP/Non-SAPのシステムや連携ツールが登録されていますが、所属する組織によってそれらの製品の追加や、不要であればデフォルトを削除することが可能なため、柔軟な利用ができます。
3. Integration Assessmentの導入目的
Integration Assessmentの導入目的は主に2点です。
1点目は、Integration Assessmentでは、お客様が指定された要件に最も適合する連携ソリューションを提案します。
既にIntegration Assessmentでは、主要な連携ソリューションの定義、Integrationポリシーの事前定義、アプリケーション・連携ソリューションのテクノロジー管理、ISA-Mのマスタデータ、ビジネスユーザー/テクニカルユーザーからの連携要件を満たすための質問テンプレートが提供されています。
尚、現時点では1stバージョンのため、SAP Integration SuiteおよびSAP Data Intelligence Cloudのようなデータ連携、プロセス連携の概念やテクノロジーのみをカバーしています。
それらに加えて、サードパーティー製品追加やカスタム連携ポリシーの定義など特定のニーズに対応するために、事前定義済みコンテンツを追加および拡張することができます。
2点目は、Integration Architectやビジネス領域の専門家、開発者などのITおよびビジネス領域の異なるペルソナ間で連携関連アクティビティに関するコラボレーションを向上させます。
以下の図で、3人の担当者が日常業務の一環としてIntegration Assessmentをどのように活用しているかを見てみましょう。

Fig.1 業務におけるIntegration Assessmentの利用
Integration Architect
第2章で紹介するツールの設定にあるISA-Mマスタデータを管理する責任あります。
また、連携対象のアプリケーションおよび連携ソリューションなどの管理やそれらの使用に関するポリシーの設定など行います。
Business Domain Expert
連携シナリオに関する要件定義を行います。具体的には、Business Solution Requestで連携プロセス、連携されるデータの情報、ビジネスクリティカル、稼働日に関する情報を入力します。
Integration Developer
Business Domain Expertが提出したBusiness Requestを受取、Technology Requestを定義します。
その結果、指定された要件に最も適合する連携ツールの提案を得ることができます。
4. 前設定
次章からは、実際にIntegration Assessmentの実際画面の紹介や機能の紹介を行っていきます。
ハンズオンなどにご興味のある方は、以下のHelp Portalの手順に従って、Integration Suiteの有効化を行って下さい。
https://help.sap.com/docs/CLOUD_INTEGRATION/36eacbcb75de48a48717090574ba16d0/63ecfd8309e645208401a69...
Integration Suiteへアクセス後、Management and Provide Integration Technology GuidanceのEvaluate Integration Strategiesを選択します。ログインまで正常に行えましたら、正常に設定が行われています。

Fig.2 Integration Suiteの画面
5. おわりに
本ブログでは、Integration Assessmentの概要をご紹介しました。
次回のブログでは、実際の画面を示しながら、どのような機能があるのかお伝えしようと思います。
6. 参考リンク
- ISA-Mの詳細情報は以下のリンクからご確認頂けます。
- 英語版のBlogですが、以下でもIntegration Assessmentの内容をご確認いただけます。