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本ブログシリーズはSAP Analytics CloudのPlanning機能をこれから学ぶ方を対象とし、予算計画などの一連の予算管理業務に必要なSAP Analytics Cloudのそれぞれの機能の特徴や要点をご紹介します。

※機能の詳細ついてはSAP Help Portalを参照ください。

※ SAP Analytics Cloudは、四半期に1度のペースで製品のバージョンアップが実施されます。そのため今後のバージョンアップにより、本ブログで紹介する画面キャプチャや、操作が異なる可能性があることをご了承ください。(本ブログは2024年4月に作成しています。)

SAPのData & Analyticsソリューションの全体像

SAP Analytics Cloudはデータの分析・可視化を行うBI機能、予算の計画・管理を行うPlanning機能、機械学習を活用したPredictive機能を一つのプラットフォームとして提供しています。例えばplanning機能を利用して立てた予算と実績のデータを合わせてBI機能で予実差異の分析を行うダッシュボードを作成する、分析にあたってはPredictive機能を利用して予実差異の原因を自動提案させる、そして分析結果をもとに今後の見込を作成するという形で、それぞれの機能をシームレスに組み合わせてお使いいただけます。

SAPでは企業全体で整合性のとれた業務プロセスを実現するERPとしてSAP S/4HANA、そしてS/4HANAやその他のSAPシステム、SAP以外のシステムからデータを集約するデータウェアハウスとしてSAP Datasphereを提供しており、SAP Analytics CloudはS/4HANAとDatasphereの双方に対してアクセスし、データを活用することが可能です。

D&A全体像.png

本ブログシリーズでは予算管理を行うSAP Analytics Cloudのplanning機能についてご紹介します。

 

SAP Analytics Cloud for planningのソリューション全体像

SAP Analytics Cloud for planningでは予算管理に必要な機能を網羅しており、予算管理業務をクラウドで一元化することで業務を効率化します。

SAP Analytics Cloud for planningでは予算のもとになる実績データの情報収集から、トップダウンのガイドライン提示、ガイドラインに従ったボトムアップでの予算の入力、入力後のデータの集計や按分処理、予算のバージョン比較やシミュレーションを行い予算を最終化、そして立てた予算をもとに業務を行った結果として業務システムから収集した実績データと合わせて予実管理や今後の予算修正という一連の業務プロセスをカバーしています。

予算管理業務の一元管理.png

 

各業務プロセスやタスクに必要な機能も網羅しています。
各機能の概要と要点についてはこちらのまとめページ(入門!SAP Analytics Cloud for planning機能紹介シリーズまとめ)から各ブログをご確認ください。

機能概要.png

 

SAP Analytics Cloud for Planningによる予算管理の流れ・全体像

SAP Analytics Cloudのコンテンツはデータを格納する箱である「モデル」とレポートやダッシュボード、予算入力画面を作成する「ストーリー」から構成されます。
モデルはディメンション(分析軸)やメジャー(金額や数量などの評価項目)で構成され組織階層や会計年度、権限などを管理します。
そのモデルに対して、ストーリーで作成した予算入力画面またはExcelインターフェース(SAP Analytics Cloud add-in for Microsoft Excel)から予算の入力を行います。また計画策定に必要なデータをS/4HANA等の他システムやファイルからインポートすることも可能です。
そしてモデルに蓄積されたデータをストーリーで自由に画面を設計して予算集計や業績管理、予実差異分析、シミュレーションに使っていただくことができます。

予算管理の流れ.png

 

SAP Analytics Cloudの特長を活かした使い方

SAP Analytics CloudはIT部門や導入ベンダーによる構築だけではなく、業務ユーザがセルフサービスで直接作成、運用していただくセルフサービスBI・Planningとしてご利用いただくこともできます。
他システムとのデータの接続やモデルの作成などのデータの準備はIT部門や導入ベンダーが事前に行い、それを利用して業務ユーザ自身で業務に必要な分析や計画入力のための画面を作成、利用していただくことも可能です。

SAC導入.png

 
またSAP Analytics CloudではSAPデータソースとの連携を含む事前定義済みのレポートテンプレートとして「ビジネスコンテンツ」をご提供しています。

S/4HANAとSAP Analytics Cloudを利用した統合財務計画(Integrated Financial Planning for SAP S/4HANA)のテンプレートではS/4HANAのマスタデータや実績データを利用した計画を行うことができ、営業費用計画や販売計画等を順次行い、財務諸表計画に統合するプロセスをご用意しています。
一からコンテンツを作成していただくことも可能ですが、ビジネスコンテンツを利用していただくことでテンプレートを利用した構築やテンプレートをもとに各社様の要件に合わせて一部修正して使うなど効率的な導入を行っていただくことも可能です。

IFP.pngIntegrated Financial Planningの詳細はこちらをご覧ください。

 

最後に:SAP Analytics Cloud for planning のポイント

ここまでご紹介したSAP Analytics Cloud for planningのポイントをまとめると以下です。

  • BI/Planning/Predictive 三位一体
    予算管理業務に必要な機能を網羅している上、一つの製品で分析と予算管理及び機械学習の利用が同時に可能
  • SAP製品との親和性とテンプレート
    接続性はもちろん、各種SAPアプリケーションに応じたビジネスコンテンツ(テンプレート)も提供
  • 既製服アプローチ、オーダーメイドアプローチ、セミオーダーアプローチ
    ➀ ビジネスコンテンツを利用した既製服アプローチ、② 要件ごとにカスタマイズされたオーダーメイドアプローチ、③ ➀②をハイブリッドにしたセミオーダーアプローチ、が可能
  • セルフサービスBI/PlanningとITアプローチのハイブリッド
    業務部門主導での開発/運用が可能だが、IT部門管轄での作り込んだアプリケーション開発/運用も可能

 

今回はSAP Analytics Cloud for planning概要のご紹介でした。SAP Analytics Cloudは予算計画などの一連の予算管理業務に必要な機能を備えており、本ブログシリーズではそれぞれの機能の特徴や要点をご紹介しています。

こちらのリンクからご参照ください。