本ブログでは、SAP HANA Cloud (以下、「HANA Cloud」) を初めて使われる方を対象に、Free Trial 環境を使用した操作手順を解説します。
本内容は「
DBエンジニア」向けの内容になります。
今回は「
SAC(SAP Analytics Cloud) でモデルを作成し、ストーリーを作成する」方法についてご紹介します。
※ 本ブログは「
SAP Analytics CloudとSAP HANA Cloudとの連携」と連動した内容になっています。
SACでモデルを作成する
SACでHANA Cloudに接続し、HANA Viewをデータセットとしてグラフ/レポートやダッシュボードを作成するためには、SACで「
モデル」を作成する必要があります。
HANA Cloud 側で既にHANA Viewを利用してモデリングしているので、SAC側で追加のモデリングをする必要はないのでは ? と思われるかもしれませんが、
お作法としてこのモデルを作成する必要があります。
ここでモデルを作成しておけば、
簡単に別のデータソースに置き換えることも可能ですし、複雑なレポートに合わせた追加のモデリングを行うこともできますので、慣れると便利な機能です。
それでは早速、
モデルを作成していきましょう。
メニューから「
モデラ」を選択し、「
ライブデータモデル」をクリックします。

前回のブログで作成したHANA Cloudの接続情報を利用します。
システムタイプには「
SAP HANA」、接続には作成した接続名を、データソースには前手順で作成したHANA View「
V_ORDERS」を選択します。

モデルの作成画面に移りますが、HANA Viewの定義を今回はそのまま利用します。
メジャーとディメンションを確認し、モデル名を指定して保存します。




ストーリー(レポート)を作成する
いよいよ、データをビジュアライズします。
レポートを「ストーリー」と呼ぶあたりが少しオシャレなところです。これからどんなストーリーが展開されるのか楽しみになります。
まずはメニューから「
ストーリー」を選択し、「
キャンパス」をクリックします。

まずは表示するためのデータセットを選択します。「
データ追加」ボタンをクリックします。

下記の「
モデル」のアイコンをクリックします。

先ほど作成したモデル「
受注明細(SAP HANA Cloud)」を選択します。

「
チャート」を選択してグラフを作成します。

まずは「
地域ごとの売上のパイチャート」を作成したいと思います。
右側に表示された設定画面から、「
+メジャーの追加」をクリックして「
売上」を選択します。

次に「
+ディメンションの追加」をクリックして、「
地域」をチェックします。

次にチャートの種類で「
円(パイチャート)」を選択します。

次に売上が高い順にソートするために、パイチャートの右上の「
・・・」を選択し、「
ソート」 > 「
売上」 > 「
高い順」を指定します。

勢いにのって、別の軸で集計したチャートを追加してみましょう。

※ 身体に操作を染み込ませるためにチャートをどんどん追加していきましょう。
【国ごとの売上】
・グラフの形式 : 棒グラフ
・メジャー : 売上
・ディメンション : 国
【国、製品ごとの売上】
・グラフの形式 : 棒グラフ
・メジャー : 売上
・ディメンション : 国、製品 ※2つ列を選択
【製品カテゴリーごとの売上】
・グラフの形式 : パイチャート
・メジャー : 売上
・ディメンション : 製品カテゴリー
【製品カテゴリー、製品ごとの売上】
・グラフの形式 : 棒グラフ
・メジャー : 売上
・ディメンション : 製品カテゴリー、製品 ※2つ列を選択
・色 : 「売上」を選択 (オプション)
チャートの追加設定
このままでも簡単なダッシュボードが出来上がりますが、追加でチャート間の連携を設定します。
あるチャートからデータを選定すると、別のチャートがその選定されたデータ項目に基づいてフィルタリングされるための設定です。
例えば、「
地域ごとの売上」パイチャートから「
Asia PAC」などの任意の地域を選択すると「
国ごとの売上」チャートのデータが「
Asia PAC」の条件で絞り込まれます。

※ もうここまでで頭がパンクしそうな方は次のステップはスキップしていただても結構です。
「
地域ごとの売上」チャートを選択し、「
・・・」から「
リンク付き分析」を選択、表示された設定画面で「
ページのすべてのウィジェット」と「
データポイントの選択に応じてフィルタリング」をチェックして「
適用」ボタンをクリックします。


最後に、画面上部の「
保存」ボタンをクリックし、ストーリー名を入力します。今回は「
受注レポート(SAP HANA Cloud)」とします。


レポートとして参照専用とする時は、画面右上の「
ビュー」ボタンを選択し、編集作業を行う場合は「
編集」ボタンを選択します。

色々なチャートを調べてみる
「ツールは習うより慣れろ」と誰が言ったかわかりませんがその通りです。
色々なチャートを選択してどのようなチャートがあるのか、その設定項目は何なのか、色々と試してみてください。
また、データ分析手法を学ぶと「このデータ分析をする時には、このチャートが最適」という推奨事項があります。興味のある方は雑誌や書籍なども確認しながら、データ分析の知見を高めていくのも良いと思います ( ちなみに私も勉強中です ) 。
お疲れ様でした !
参考 :
SAP Analytics CloudとSAP HANA Cloudとの連携