はじめに
本ブログでは、SAP Data Warehouse Cloud ( 以下DWC ) の Free Trial 環境を使用して「データをロードして可視化する」までの一連の操作を体験していただきます。
今回のシリーズではDWCの下記の利用ステップについて解説していきたいと思います。
1. スペースの作成と割り当て
2. CSVデータをアップロードしてテーブルを作成
3. ビューの作成 (データ準備)
4. SAP Analytics Cloud との連携
5. ストーリー(レポート)の作成
今回は「
2. CSVデータをアップロードしてテーブルを作成」をご紹介します。

CSVデータのアップロードとテーブル作成
DWCでは、ローカルPCに保存されているCSV ファイルをアップロードして簡単にテーブルを作成することができます。既に作成されたテーブルに対してCSVデータを追加登録したり、既存データを全削除して新規登録することも可能です(注意深く操作しましょう)。
今回はサンプルのデータを用意しました。
「
Csutomers.csv(顧客マスター)」、「
Products.csv(製品マスター)」、「
Orders.csv(受注明細)」の3つのCSVファイルを
こちらのサイトからダウンロードしてローカルの任意のフォルダに展開しておきましょう。

テーブルの作成
左メニューから「
データビルダ」を選択し、先ほど作成した(割り当てた)スペースを選択した後、「
CSVファイルのインポート」を選択します。



その後、表示されるポップアップ画面からCSVファイル(前述でダウンロード済のフォルダ配下のファイル)を選択します。
まずは「
Customers.csv」を選択します。CSVファイルの一行目には列名が入っているので、最初の行はスキップする設定にして「
アップロード」ボタンをクリックします。

先頭の数十件のレコードがサンプルとして読み込まれ、自動的にテーブルの列名と列のデータ型が設定されます。設定を確認、修正する場合は、キューブのマークのアイコンをクリックします。
今回は「
CUSTOMERID」列を主キーとして設定します(オプション)。

その後、画面下の「
デプロイ」ボタンをクリックして、テーブルの「
ビジネス名」と「
技術名」を入力します。
「
ビジネス名」はビジネスユーザーが使い易いように日本語名で入力し、「
技術名」はプログラムなどで使用したり、IT部門が直接SQL文を発行する時のために英語表記にしておきます。
今回はビジネス名に「
顧客マスター」、技術名に「
Customers」と入力します。
「
デプロイ」ボタンをクリックするとテーブルが作成されてデータがロードされます。


作成されたテーブルの定義情報(データ型など)やデータがロードされているか確認しましょう。


ここで追加の設定を行います。
作成されたテーブルは
デフォルトではHotデータとして「インメモリ」に配置されず、Warmデータとしてメモリとディスクを性能とコストの観点でバランス良く活用しています。
SAP HANAのメリットでもあるインメモリ機能をフル活用した高速アクセス性能重視の方は、タブメニューから「
テーブルサービス」を選択し、「
インメモリストレージ」を選択します。
属性変更後は「
保存」ボタン、「
デプロイ」ボタンの順番で有効化します。

同じ操作手順で「
Products.csv」と「
Orders.csv」もインポートしてみましょう。
【Products.csv】
ビジネス名 : 「
製品マスター」、技術名:「
Products」
主キー(オプション設定) :
PRODUCTID
【Orders.csv】
ビジネス名 : 「
受注明細」、技術名:「
Orders」
主キー(オプション設定) :
ORDERID, PRODUCTID (複合キー)


お疲れ様でした !
次回は、今回作成したテーブルを元に
ビューを作成する手順をご紹介します。