本ブログでは、日本や世界各国におけるや税務申告への対応を行っている担当者様に向けて、SAPソリューションでできることについてご紹介します。
デジタルインボイスへの対応については各社ご関心をお持ちのトピックかと思いますが、各国の仕様がばらばらであったり、ルールが改正されたり、全容を把握するのが難しいテーマかと思います。そのため、国内でデジタルインボイスに対応されようとしているお客様も、海外の子会社のデジタルインボイス要件に対応しようとしているお客様も、何にどう取り組めばよいのか、よくわからないことがあるのではないでしょうか。また、導入する仕組みも国によってばらばらということになると、現地の状況を本社が確認するのはとても困難です。このような状況ですと、対応の遅れによるコンプライアンスリスクが懸念されることはもちろん、M&Aにより海外で法人を買収し、ビジネス基盤を拡大したいという場合の足かせになることもあり、事業展開の阻害要因にもなりえます。
また、海外子会社が現地パッケージを採用し、各国ごとに異なるシステムの運用を行うことになると、メンテナンス業務の複雑化による対応工数・コストの増加を招く懸念があります。また、業務システムとインボイス送信・電子申告用のシステムが別々だと、データ連携時の仕組みの構築やメンテナンス負荷がかかることはもちろん、業務データと送信データの整合性の担保にかかわる対応コストがかかることも想定されます。
今回は、そのようなお悩みを抱えている業務担当者様およびIT担当者様に向けて弊社デジタルインボイスおよび法定レポート対応機能であるSAP Document and Reporting Complianceについてご紹介いたします。
SAP Document and Reporting Complianceは、デジタルインボイスの送受信や税務当局への法定レポートの提出をサポートするソリューションです。特徴として、SAP S/4HANAに統合された製品であるため、業務伝票が生成されたタイミングでリアルタイムかつ自動で送信用データが生成される仕組みになっており、そのため、業務データとデジタルインボイスや申告用データとの間に一貫性が担保されているのが特徴です。また、2024年4月現在で55か国、500シナリオのSAP標準コンテンツを用意しており、パートナー企業様が提供しているコンテンツを組み合わせてお使いいただくことも可能で、世界各国でビジネスを行っているお客様のグローバルな法要件を一つのプラットフォームで管理することができます。国ごとに対応可能なシナリオの一覧については、SAP S/4HANA, SAP S/4HANA Cloud, SAP ECCそれぞれにまとめておりますので、併せてご確認ください。一つのシステムで各国の税務要件を管理できることでシステムの保守性が向上し、ITの担当者の負荷の軽減にもつながります。
本ソリューションのアーキテクチャは大まかには上記の図の通りです。左側がERP本体、そして生成された送信データを連携するのが中央の領域です。SAP Document and Reporting Complianceと呼んでいる範囲は、左と真ん中の領域を合わせた部分です。右側の紫で表しているのは、デジタルインボイスの連携先となるPeppolネットワークや各国の税務当局のポータルサイトです。
オレンジで表しているERPは業務伝票からデジタルインボイスや電子申告用データの生成や、法定レポートを出力する機能を有しており、青や緑のSAP Buisness Tecnology Platformと呼ばれる機能によって生成されたデータを各種ネットワークおよびポータルに連携することができるようになっています。
ここまで、SAP Document and Reporting Complianceの概要を見ていきました。
それでは、ここからSAP Document and Reporting Complianceの機能のイメージを見ていきましょう。
今回は、デジタルインボイスや法定レポートの提出状況を確認できる画面をご紹介します。
下図は、各国のデジタルインボイスの送受信の状況を確認できる画面です。画面左側では、各国ごとにツリー構造でデジタルインボイスのシナリオおよび数が表示されています。シナリオを選択すると右部に詳細データを表示できますが、ここでは、日本のデジタルインボイスのみを表示しています。一行ごとに、一件のデジタルインボイスを表しています。ステータスが緑色になっている場合は問題なく送受信が行われていることを表します。もし、各電子伝票の送受信でエラーが発生している場合は、緑ではなく赤いアイコンが表示されます。各電子伝票をクリックすると元となっている会計伝票を参照していただくことができます。
また、各国の法定レポートの提出状況をダッシュボード形式で確認することもできます。下の画面では、今月の日本本社と子会社のある国の法定レポートの提出進捗を確認しています。左のダッシュボードを見ると、各国で求められているレポートの数およびその提出が「完了」しているか、あるいは「期日超過」「期日間近」「期日が後」なのかを把握でき、本社の担当者はどの国に対するサポートを優先するべきかを直感的に判断することができます。また、ダッシュボード内の6の数字は「期日超過」「期日間近」のレポートの総数を表しており、優先的な対応が必要となるレポートがどのくらいあるかを確認することが出ます。レポート進捗をクリックすると、画面が遷移し、各国の法定レポートの提出を行うにあたっての処理タスクを確認できます。
下図が、各種法定レポート提出にあたって必要となるタスクの進捗を確認する画面です。今回は、日本で2024年3月から4月に提出対象となっている各種法定レポートのタスク処理状況を確認します。提出期限からどのくらい遅れているのか、レポートを提出のために必要なアクションがどのくらい残っているのかを確認をすることができるようになっています。対象のレポートの行をクリックすると、レポートのデータ生成実行などレポート提出に必要なタスク処理を行うことができます。
ここまでブログを読んでいただき、ありがとうございました。各国のデジタルインボイスや法定帳票の提出を行うために、SAP Document and Reporting Complianceをお使いいただくことで、ERPに内包された機能を使って効率的に導入および業務運営を行うことができます。もし、ご興味を持っていただけましたら、弊社営業およびこちらの公式ホームページからお問い合わせをいただけますと幸いです。
You must be a registered user to add a comment. If you've already registered, sign in. Otherwise, register and sign in.
User | Count |
---|---|
3 | |
3 | |
2 | |
1 | |
1 | |
1 | |
1 | |
1 | |
1 | |
1 |