SAP Readiness Check 2.0 の下記項目について3つの記事に分けて紹介していきたいと思います。
SAP Readiness Check 2.0 概要説明
まずは、SAP Readiness Check 2.0 の概要についてです。
SAP Readiness Check は、一言で言うと、現状のシステムを S/4 HANAに移行した際にどのような影響が出るのかを包括的に分析するツールです。
分析する内容は、
- 現状のシステムに関連するシンプル化される内容とそれに必要なアクティビティ
- システムにインストールされている SAP、もしくはサードパーティから提供されているアドオンの互換性(S/4 HANA 移行後も利用可能かどうか)
- システムで有効化されているビジネスファンクションの互換性(S/4 HANA 移行後も利用可能かどうか)
- S/4 HANA 移行に必要なメモリーやディスクサイズ
- S/4 HANA 移行後に調整が必要なカスタムコードの量と関連内容
- BW 抽出機能や IDoc インタフェースの S/4 HANA移行後の利用可否
- ビジネスプロセスに関する改善余地
など多岐にわたって S/4 HANA への移行に関しての影響を分析することができます。

SAP Readiness Check 2.0 の実行と前提に関して
基本的な SAP Readiness Check の実行方法は、 SAP システム上で、ABAP プログラムを実行して、それによって生成されるファイルを SAP Readiness Check の Web アプリケーション(
https://rc.cfapps.eu10.hana.ondemand.com)上でアップロードして分析を開始します。
分析は、ファイルをアップロードしたら、分析自体は Web アプリケーション上で自動で実行され、数分後分析が完了して上記のような結果画面を見れるようになります。
分析データを取得するためのプログラム実行自体は、これに続くブログ投稿で紹介していきますが、それを実行するためには、分析する項目によって前提ノートが用意されており、それらを適用する必要があります。
前提条件や実行方法に関する詳細は、SAP ノート
2913617 および
2758146 に記載されておりますので、実行にあたってはそちらを参照してください。
また、SAP Readiness Check では、システムに存在するトランザクション ST03N のデータ(ワークロード統計データ)を使用する必要があり、このデータはシステムコピーを実行されたシステムにはコピーされなく、もし本番機をコピーしたシステムで、SAP Readiness Check を実行する場合は、ST03N のデータコピーを SAP ノート
2568736 を参照して実行するようにしてください。
まとめ
このブログ投稿では、SAP Readiness Check 2.0 の概要および前提条件について記載しました。
SAP Readiness Check 2.0 でどのような分析が実行されるのか、また実行するには、どのような準備をしなくてはならないかといったことが大体理解できたかと思います。
下記後続のブログ投稿で、システムから分析データの取得方法、および分析の実行、結果照会について触れておりますので、興味のある方はそちらのブログ投稿も参照してください。
後続のブログ投稿