*このブログは、2020年4月15日にSAPジャパンブログに投稿したものです。弊社プラットフォーム変更により、内容をSAP Community Blogに再投稿しております。
SAPは2020年2月にSAP S/4HANAとSAP Business Suite 7のメンテナンス方針の更新の
発表を行いました。それに引続きSAPでは下記関連製品のメンテナンス・製品方針についても2020年4月付けで更新を行いました。
1)SAP S/4HANAへの安全な移行のためSAP NetWeaver 7.5のメンテナンス方針のSAP Business Suite 7への同期化 ⇒ SAP NetWeaver 7.5はメインストリームメンテナンスを2027年末まで、延長保守を2030年末までとします
2)SAP BW/4HANAの製品拡張方針をSAP S/4HANAシリーズに同期させます
詳細にはSAP Platform開発部門の
Karl Kesslerによるブログとそのブログで示されている各リンクをご覧いただきたいと思います。ここでは日本のお客様向けに、我々の言葉にて解説・紹介させていただきます。
SAP NetWeaver 使用パターン別メンテナンス方針解説
図1:SAP ERP 6.0の同一システム・インスタンスに埋め込まれたSAP NetWeaverのサポート
SAP NetWeaver ASが代表的です。これは2020年2月のアナウンス時と変更なく
SAP Note1648480に記述されている通りになります。SAP NetWeaver 7.03, 7.31(以上SAP ERP 6.0 EhP6のベース)、SAP NetWeaver 7.4 (SAP ERP 6.0 EhP7のベース)、SAP NetWeaver 7.5(SAP ERP 6.0 EhP8のベース)のSAP NetWeaver ABAP StackはSAP ERP 6.0などのSAP Business Suite 7のメンテナンス方針と同期を取ります。つまり2027年末までのメインストリームメンテナンス、その後2030年までのOptionとしての延長保守です。
図2:BW, EP(Enterprise Portal), PI / PO(Process Integration / Process Orchestration)など、単独システム・インスタンスとしてSAP NetWeaverを使う場合
SAP NetWeaver 7.5のメインストリームメンテナンスは従来2024年末でしたが、これが完全にSAP Business Suite 7(SAP ERP 6.0 EhP6~8)と同様になって2027年末となりました。またオプションとしての2030年までの延長保守も提供されます。これは、SAP ERP 6.0などと同期を合わせて、次世代プラットフォームへの移行ロードマップ策定をいただく時間を十分に取って頂くためでもあります。
ちなみにSAP NetWeaver 7.5のJava StackはJava8がベース、SAP NetWeaver 7.4のJava StackはJava6がベースです。単独システム・インスタンスで使うSAP NetWeaver 7.4とそれ以前については、メインストリームメンテナンス期間の変更はありません。
次世代プラットフォームへの移行について
進化の早いインフラ、DB、UX、UI、セキュリティ技術、機械学習の組込など特にIT基盤系では、一般的に最新の技術の恩恵を得て、ITに関わる自社従業員のより付加価値分野へのリソース配分を図るために、ますますクラウドサービスの活用が浸透してきていると思います。SAPでもSAP Datasphereなどにて次世代のIT基盤の提供は既に早くから始まっています。
BI(Business Intelligence)・Business Warehouse(BW)の分野では、
SAP Analytics Cloud,
SAP BW/4HANA, SAP S/4HANAデータのリアルタイム分析を可能にするCDS Viewや、SAP Fioriの技術も相当浸透してきました。
また、現在のSAP NetWeaver Application Serverに当たるコンポーネントは、オンプレミス・Cloud両方のSAP S/4HANAなどの組込部品ABAP Platformとして今後も進化を続けます。
このように、Cloud化などを切欠に技術革新の速度が速い従来のSAP NetWeaverの領域では、利用シナリオ、目指すプラットフォームにより選択肢も増えより間違いの無い選択・設計が求められていると思います。SAP NetWeaver 7.5のメンテナンス方針修正により、SAP ERP 6.0などと同期を合わせて、あるべき次世代プラットフォームへの移行ロードマップ策定をいただく時間を十分に取って頂くことができればと思います。推奨移行情報については前出のSAP Platform開発部門の
Karl Kesslerによるブログ にもございますので是非ご覧ください。