このエントリは2023年2月時点のSAPブログ SAP Human Capital Management for SAP S/4HANA now available as part of the SAP S/4HANA 2022 release を翻訳したものになります。最新情報についてはリンク先のブログ記事を参照してください。
2022年10月更新
このソリューションについて
SAP Human Capital Management for S/4HANA は、SAP S/4HANA 2022 リリースの一部として利用可能になりました。すでに説明したとおり、ソリューションスコープは SAP S/4HANA 互換性パック(Compatibility Pack)および SAP ERP HCM (EHP😎 の主要機能と一致します。同じく、SAP 従業員経費管理 (FI-TV)についてもSAP S/4HANA 2022でリリースされています。(※日本語注 オンプレミス版の場合のみ。)
当社の全体的な投資戦略に変更はありません。SAP SuccessFactors は、これまでのご案内のとおり、SAP における HCM イノベーションのメインターゲットであることに変わりません。一方で、SAP Human Capital Management for S/4HANA における大幅な機能追加や再アーキテクチャーの計画はありません。たとえば、SAP ERP HCMの勤怠集計機能(RPTime)は保持され、インフォタイプはそのまま維持されます。以下の詳細についてを参照してください。このソリューションは、SAP S/4HANA による運用のために継続的に最適化されます。
既に何社かのお客様から、SAP ERP HCM と SAP SuccessFactors の違いについて質問をいただいております。同僚のイムラン・サジッド (Imran Sajid) 氏は最近、「A Dozen Improvements in SAP SuccessFactors from SAP ERP HCM」という素晴らしいブログを書いています。これらのイノベーションに関心がある場合は、
こちらをご覧ください。
拡張機能
すべての拡張は
SAP Road Map Explorer に一覧表示されています。その一部を以下に示します
ユーザエクスペリエンスと SAP Fiori
セルフサービス用の既存の SAP Fiori 2.0 アプリは、SAP Human Capital Management for S/4HANA でご利用いただけます。従業員データ更新のために SAP Fiori UI と WDA (WebDynpro ABAP)サービスを組み合わせた、HR プロフェッショナル用の新しい SAP Fiori ロールが登録されました。これには、SAP Fiori 3 スペースコンセプトのサポートも含まれます。また、組織を表示する組織図アプリもあります。
従業員管理
HR プロフェッショナル向けの新しい Fiori ロールは、従業員がポジションを退職する際に空席を登録するのをサポートします。ポジションへの従業員の割当時に、空席を直接期限設定することもできます。
勤怠管理
休務タイプの衝突定義を改善するために勤怠管理カスタマイジングが最適化され、エラー原因に関する RPTIME でのエラー処理がより分かりやすくなります。
給与計算処理
関連するすべてのウェイジタイプ設定の詳細を 1 カ所にまとめた新しいウェイジタイプ情報レポートを利用できます。これにより、給与計算チームは、不正確なウェイジタイプ設定によって発生した本稼動の問題をトラブルシューティングすることができます。
失敗した支払を振替に置き換える特別支給ワークベンチ、転記レポートの連結、支払代替後の銀行振込の自動消込プロセスなども拡張されました。
プロセスおよびフォーム
新しい SAP Fiori分析アプリでは、HANA ビューを使用して従業員、マネージャ、または HR プロフェッショナルが開始したプロセスを分析し、平均処理時間、ワークロード、エラー率などのプロセスとそのステータスに関するインサイトを得ることができます。
また、SAP S/4HANA 移行コックピットの HCM コンテンツ、マスタデータ統合 (MDI) コンテンツプロバイダなどの技術指向の拡張もあります。
前述のとおり、詳細については
SAP Road Map Explorer を参照してください。
移行
お客様は、現在のデプロイメントモデルおよび将来の要望に基づいて、HCM組み込み、あるいはHCM単体の SAP S/4HANA インスタンスを実行することができます。SAP は、SAP ERP HCM または SAP S/4HANA 互換性パック(Compatibility Pack)からの中断のない移行を促進する移行ツールおよびサービスを提供しています。よくある質問の 1 つとして、「準備のために何が必要ですか。事前に EHP8 にアップグレードする必要がありますか。」と聞かれることがありますが、これは不正確です。SAP Human Capital Management for SAP S/4HANA に変換する前にEHPをアップグレードする必要はありません。
ご覧のとおり、SAP Human Capital Management for S/4HANA はオンプレミスでの利用の他に、 RISE with SAP の一部としてプライベートクラウドサービスとしても利用できます。これにより、お客様はオンプレミスソリューションを、同じ機能を備えたクラウドベースのデプロイメントに移行できます。プライベートクラウドサービス (PCE) では、コア HR (コア HCM、タイムトラッキング、および給与計算) のみご利用可能です。(日本語注:クラウドでのタレントマネジメント機能については別途SuccessFactorsをご利用ください)
お客様は、以下のような既存のツールを使用することができます。
• SAP S/4HANA 変換ガイド:
こちら
• SAP S/4HANA のカスタムコード移行ガイド :
こちら
これらのガイドおよびツールの最新バージョンを常に確認してください。
"1 つの方針の原則" を含む SAP Business Suite 全体のシンプル化(Simplification)の一環として、既知の SAP HCM ERP 機能の一部は SAP Human Capital Management for SAP S/4HANA の一部ではありません。ここで、SAP ノート "SAP HCM for SAP S/4HANA - 一般的なアプローチおよび方針" を参照してください。
ノートに記載されているすべてのシンプル化は、SAP S/4HANA 準備状況チェックおよび SAP シンプル化項目カタログにも含まれています。SAP Readiness Check の詳細については、
こちらを参照してください。
商品化および価格設定
当社のアプローチは、すべての HCM/HXM ソリューションにわたって価格設定を統一することです。そのため、コア HR の 3 つのシナリオ (SAP Core Human Capital Management for SAP S/4HANA、SAP Time Tracking for SAP S/4HANA、および SAP Payroll Processing for SAP S/4HANA) を含む価格設定アプローチに移行しました。アドオンとしての SAP E-Recruiting for SAP S/4HANA は、SAP Learning Solution for SAP S/4HANA も 提供しています。すべての品目コードには、1 つのメトリクス「従業員」を含む、いわゆるエンジン及びユーザー権限が含まれる。既存の SAP S/4HANA 変換ポリシーで SAP Human Capital Management for S/4HANA に移行するには、ライセンス変換が必要です。
前述のとおり、コア HR ソリューションはプライベートクラウド (PCE) 製品として利用可能です。
ご質問がある場合は、担当営業にお問い合わせください。
保守方針
SAP S/4HANA の保守方針 (2022 年 9 月) に関して、SAP は SAP S/4HANA のリリース方針および保守方針の変更を発表しました (プレスリリースは
こちらを参照)。
2023 年 10 月にリリースされる予定の SAP S/4HANA 2023 は、次世代テクノロジーおよびレガシーソフトウェアとの互換性の主力リリースです。このリリースから、SAP S/4HANA は 2 年間のリリースサイクル、1 リリースあたりより長い 7 年間のメインストリームメンテナンス、およびより簡単に導入可能な機能パックに変更されます。この主要マイルストーンのサポートとして、SAP S/4HANA のリリース 1709、1809、および 1909 に延長保守オプションが提供されます。これにより、顧客は 2023 バージョンに直接アップグレードできるようになります。2040 年までは、保守期間に SAP S/4HANA の少なくとも 1 つのリリースが常に変更されないことを
発表しています。